素敵な「人」「出会い」「自然」そして「生きがい」がある街  わやはこ移住生活 函移41° 函館・道南以外から、この函館・道南に移住して来た人をピックアップし、この町のどこに魅力を感じ、何が行動を駆り立てのかを紐解き、その人たちを通じて客観的にこの町の持つ魅力を皆さんにお伝えしていきます

函移 第2住 2008年11月21日[金]

暮らせば暮らすほど、函館の良さが分かってきました。

函館市在住 坂上勇さん(56歳) 智子さん(53歳)

プロローグ

坂上夫妻

 坂上さんご夫妻が経営する「ペンション 坂のうえ」。オープンしてからちょうど今年で丸10年を迎えました。
 オープン当初は慣れないペンション業に戸惑うこともあったそうですが、今では自分たちのペースをしっかり掴み、肩の力を抜きながら楽しい毎日を過ごしているようです。
 さて、東京出身のお二人が脱サラまでし、第二の人生に函館を選んだ理由とは・・・?坂上さん夫妻を虜にした街の魅力とは一体何だったのでしょうか。


函館に住みたい!!

 ご主人の勇さんが東京のアパレル会社に入社したのが昭和51年のこと。そこで智子さんと出会い、二人は後に結婚することになります。
 昭和58年、勇さんは1年の期限で家族と一緒に転勤のため函館にやって来ました。
 「夏でもこんなに涼しく、しかも時間をゆっくりと過ごせるところがあるんだなと思いました」と、函館に住んでみた感想を語る智子さん。
 1年が経ち、坂上さんご家族は予定通り東京に戻りましたが、それからというもの毎年夏休みを利用しては必ず家族で函館を訪れていたそうです。
 「函館に移住することを考え始めたのは、もっと後のことなんですが、もしかしたらその当時から函館に住みたいって思っていたのかもしれませんね。夏休み以外にも、僕は北海道に出張が決まった際には1日休みを取り、必ず函館に立ち寄っていましたからね」と、勇さん。
 その後、年月を重ねるごとにお二人の「函館に住みたい」という気持ちがどんどん大きくなっていったのは言うまでもありません。


ペンション経営

 東京でのことをお二人に伺ってみると、こんな回答が返ってきました。
 「あまり覚えていないんです。とにかく忙しくて朝起きて仕事に行き、疲れて帰ってきたらもう朝・・・と、いうような感じで、昨日やったことも次の日には忘れているんです」。
 そんな生活を送る日々が続き、お二人は真剣に函館へ移住することを考え始めるようになったそうです。でも食べていかなくてはなりませんから、函館で仕事をしなくてはなりません。
 何をしようか考えていたとき、勇さんの頭の中は

 「北海道に住みたい」
     ↓
 「函館に住みたい」
     ↓
 「函館で仕事をするならペンション」

 ペンション経営なんて経験のなかったお二人ですが、「ペンション」というキーワードは意外にもあっさりと頭の中に思い浮かんだとのこと。
 そしてちょうどその頃、坂上さんの同僚で、九州に帰省しペンション経営を始めたという方がいたそうです。坂上さんご夫妻はその方を頼りに九州へ行き、早速ペンションのお手伝いをさせていただくことに・・・。
 実際にペンションを手伝ってみて勇さんは「これなら自分でもできるかなぁ」と、思ったそうです。
 それからお二人は2回ほど九州を訪れ研修を受け、ペンションを経営するためのノウハウをしっかりと身に付けました。


建物との出会い

 いよいよ函館での物件探しが始まりました。でも、函館市内の物件は高かったため、函館市内でのペンション経営は諦め、大沼で物件を探すことにしたそうです。
 その後、無事に大沼で物件も見つかり、あとは手付金を支払えば決まるという段階でした。
 東京に戻る帰りがけのことです。偶然にも今の建物のことを知ったのです。それは運命的な出会いでした。八幡坂に面した素晴らしいロケーション。しかも当初の希望通り、函館市内に自分たちの条件に見合う物件が見つかったのです。
 この建物との出会いは、まるで「函館においで」と、街に言われているようでした。


人に支えられて

 平成11年、「ペンション 坂のうえ」がオープンしました。坂上さんご夫妻の第二の人生が始まったのです。
 オープンしてからというもの、坂上さんご夫妻はたくさんの人に助けられたと話します。
 その中でも大変お世話になり、今でもいいお付き合いをさせていただいているのが「ペンション&喫茶 はいから館」の道下泰三さんです。
 道下さんは東京からUターンし、脱サラでペンション経営をしているいわば勇さんの大先輩にあたる方。勇さんの良き相談相手であり、ペンションのオープン日には勇さんを力強くサポートしてくれました。
 また、智子さんにも大変お世話になっている方がいます。それは「函館の魚の師匠」と智子さんが呼んでいる方で、「銀座 魚菜市場」内に店を構える「伊藤商店」の伊藤さんです。
 ペンションにやって来るお客様の中には、ペンションで食事をとられる方もいます。もちろんそういったお客様は函館らしいものを食べたいわけですが、函館に移住したばかりの智子さんは市場で初めて見る魚にとまどうこともあったそう。
 そんな時、いつも助けてくれたのが伊藤さんです。魚の調理方法まで教えてくれ、智子さんをサポートしてくれました。

休日の過ごし方

 ペンション業を営んでいると、朝早くから夜遅くまで働きっぱなし。繁忙期以外は、ベッドメイキングや買出し、調理、フロント業など、すべてに係る業務は全てお二人だけでこなします。
 だから1年を通して休日というのはなかなか無いのですが、まれに全く予約が入らない日があるそうです。その日が唯一お二人にとっての休日となります。


 もともと行動派であるお二人は、限られた休日を利用して、車で北海道旅行を楽しむそうです。一番遠いところでは網走や紋別まで行ったこともあるとか。
 でもいつも翌日の15:00(ペンションのチェックイン)までには函館へ帰ってこなければならないので、いつも時間との勝負です。
 「特に道南についてはくまなく回りました。でもそれは大変仕事に役立っているんですよ。実際にペンションを訪れたお客様に対して、その場所への車での行き方を教えてあげたり、逆に函館へ来る場合でも、この道を利用するといいですよなんて教えてあげることができますからね」と、勇さん。
 もしかしたら地元人よりも道南のことについて詳しいのかもしれませんね。


暮らしてみて分かったこと

 函館が大好きな坂上さんご夫妻。でも、10年暮らしてみて、より函館の魅力が分かってきたと言います。
 「函館は30万人都市だと言われていますが、実はこの30万人都市がとっても人に優しい街なんだと思うんです」と、勇さん。
 理由を聞いてみると
 「東京のように人口が多いと、隣の人が誰なのかも分からないことが当たり前で、ご近所づきあいなんてありえないですよね。でも、函館のような30万都市だと、人とのつながりがつかず離れずの関係でいられるんですよ。それがちょうどいいんです」。
 なるほど・・・。話を聞いていて納得してしまいました。
 「そういえば函館って、ルートがつながっちゃうんですよね。それが凄い!!」と、ちょっと興奮気味に話してくれたのは智子さん。
 ルートがつながるとは、例えば腕がよく、しかも安く仕事をお願いできるような大工さんを知らないかと誰かに相談した場合、それぞれ違う人2~3人に相談しても、必ずみんな同じ大工さんに行き着くということなんです。
 智子さんが言うには、函館にはそんな人のネットワークがあるというのです。

 東京出身の坂上さんご夫妻だからこそ感じることができた函館の魅力。
 きっとこれから先も、暮らせば暮らすほどに函館の良さを実感していくことでしょう。





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